ThinkPad HDDのSSDへの交換 (X220編)

続いて、メインマシンであるX220のSSDへの交換へと移りました。

今回の場合やっかいなのは、ファイルシステムが2種類(正確には3種類)あることです。このマシンは半分をWindows,半分をLinux (Ubuntu)のデュアルブートとして構成しているので、Windows用のNTFS、Linux用のext4という2つのファイルシステム(さらに、Linuxのスワップ領域)が混在しているのです。このため、通常のNTFSしか想定していないディスククローニングツールではコピーができません。実際、X61で使用したNTI Echoを使っても、ext4領域は認識すらしてくれません。

また、当初320GBだと思って買ってきたIntel SSD 320が、実際の容量としては300GBであったことが判明。このため、X220の換装もパーティションを縮小してコピーする必要が出てきてしまいました。
そこで、すべきこととして、

  • まず、ファイルシステム全体を縮小し、300GBに収まるように調整する。
  • 次に、ディスク全体をコピーする。不可能であればパーティションごとにコピーをする。
  • ブート領域(MBR)をコピー

という3段階のステップを踏むことにしました。

まずはファイルシステムの縮小です。NTFSの縮小は、Acronis Disk Directorを使用しました。Parted Magicはこの時点ではまだ不安があったので使用しませんでした。
一方、ext4の領域変更はParted Magicを使用。私のコンピュータでは、/パーティションと/homeパーティションの2つの領域を作っているのですが、/領域にかなり空きがある一方で、/home領域が若干ディスクを圧迫しているので、領域の再デザインも一緒に実行しました。

続いて、ディスク全体のコピー。Parted Magicでもやはり縮小コピーができなかったので、Parted Magicを使って、NTFSとext4についてパーティションごとにコピーを行っていきました。NTFSもext4も、コピーは問題なく終了です。

最後はMBR領域のコピー。これについては、原始的な(苦笑)ddコマンドを使用します。
dd if=/dev/sda of=./sda.mbr count=446 bs=1
dd if=./sda.mbr of=/dev/sdb
ここで、count=446としてあるのは、MBRのうちブート部分だけをコピーしたためです。512としますとパーティションテーブルもコピーすることになりますが、当然2台のディスクのパーティションテーブルは異なっているので、もし512でやってしまうと大変なことになります(実際一度やって、コピー先のディスクのパーティションを消してしまいました)。

さて、これで起動…
…してみると、うまく起動しません。
どうやら、起動用のgrubは隠し領域を持っているようで、これがうまくコピーできなかったためのようです。

そこで今度は、Parted Magicについてきた、grub doctorを使用します。その名の通り、grubに問題が発生した際に診断をしてくれるという便利なツールであります。grub doctorを起動すると、いくつか対話的な質問が出てきます(例えば、どの領域にgrub.confがあるか、など).それに間違いなく答えれば、再度grub領域を作成してくれるというわけです。2〜3の簡単な質問に答えて、無事インストールされたことを確認、再度起動すると…
うまくいきました! grub画面が出てきて、Linux (Ubuntu)もWindowsもちゃんと起動してくれます。

今回いちばんの問題だったのは、ディスクそのものの挿入でした。
Intel 320 SSDシリーズは、SSD本体の上に、黒い枠のようなものがついてきます。どうもこのSSDはデスクトップマシンにインストールされることを考えているようなのですが、この黒い枠があるおかげで、X220のハードディスクスロットの入口につかえてしまって入らないのです。試しに黒い枠を外そうとしましたが、この枠を止めているネジはSSD全体を固定する機能も兼ねているためにそうもいかず。
そこで、またもやX220の分解です。
X220の裏側のネジを外し、本体全体をゆるめます。さらにキーボード固定部分も外してキーボードを取り外します。こうすると、HDD/SSDを入れるスロットの上のカバーがみえるようになります。このカバーを少し浮かせながら、まず入口から斜めにSSDを差し込み、十分入ったら水平にスライドさせて、コネクタとつなげます
…というもののこれがまた非常に難しい。1時間近く格闘した挙句、何とかつなぐことに成功しました。また、X220にもともとついてきたゴムの制振部材やケージについては、取り外さざるを得ませんでした。もっとも、黒い枠がついたままのSSDは容積ぴったりに収まっているので、十分固定されて振動に耐えるようになっています。おまけにSSDは振動に強いですし。

こうして、SSDの換装が成功しました。
今のところ、X61ほどの加速感はあまり感じませんが、特にWindows側では全体的な速度の向上を感じます。LInux側はあまりスピーディになったという印象を受けませんが、今のところ問題は発生していません。
また、X61で発生した、Windows Updateなどができなくなってしまう問題は、X220では発生していません。
電池の持ち時間についても、X220ではあまり変わらないようにみえます。ただ、私の使い方が、電池でほぼフル活用するというやり方なので、節電にあまり寄与していないかも知れません(液晶バックライトがかなり電力を消費している可能性が高いです)。

いずれにしても、X61に続き、X220でも快適なSSDライフを送ることができるようになりました。