UbuntuでGoogleアカウントを使い分ける

職場と自宅、あるいは個人用でも複数といったように、今や複数のGoogleアカウントを持っている人は多いはずである。こういったとき困るのが、特にブラウザにおけるアカウントの扱いである。
以前使ったアカウントがそのまま残っていて、いちいちログアウト・ログインを繰り返さないと別アカウントを使うことができないというケースはけっこうある。
Ubuntu、あるいはそれに限らず、そのような場合の対応策について考えてみた。なお、ここでは基本的にFirefoxを使用した場合とする。Google Chromeであればもう少しスマートな解決方法はあるかも知れない。

まず、最も基本的(?)な方法は、ブラウザの使い分けである。アカウントAはFirefox、アカウントBはGoogle Chromeのように、複数アカウントをブラウザごとで使い分けるという手である。ただ、これではブラウザが固定されてしまって、ここのブラウザがもつ機能をそれぞれのアカウントで使うことができない。また、利用するアカウントが多い場合にはブラウザの数に追いつかないということも考えられる。

そこで、 Firefoxだけで使い分けることを考えよう。
Gmailだけであれば、FirefoxのアドオンであるX-Notifierが便利である。
X-Notifierは、複数のGmailアカウント(すなわち、Googleアカウント)を管理して、メールの着信を通知、自動的に複数のGmailタブを開いてくれる便利なアドオンである。
Googleアカウントの使用がGmailだけであれば、これで十分である。

ところが、Googleアカウントをほかにも(例えば、YouTubeやAdSense, Mapなど)細かく使い分けていて、ブラウザごとに変えたいという場合には、これではちょっと不十分である。
そこで、このような場合、ブラウザのウィンドウごとにGoogleアカウントを切り替える、Multifoxというアドオンを利用することにする。
Multifoxは、Firefoxの上部にボタンを持ち、アカウントを切り替えたいときにはそこから「プロファイル」(これはFirefoxでいう「プロファイル」とはまた異なるようである)を切り替えて対応する。別ウィンドウが別のGoogleアカウントになるので、Gmailはもちろん、YouTubeやAdSenseなどもウィンドウごとに別々のGoogleアカウントとして問題なく機能する。

ところが困ったことに、このMultifoxとX-Notifierは同時に使用できない(複数のGoogleアカウントには対応しない)。どちらかを選ばないといけないのだ。
そうすると、X-Notifierで便利だった通知機能はMultifoxにはないので、これが使えないのは痛い。

そこで登場するのが、Ubuntuの機能である「Unity Mail」である。
Unityという名前からもわかるように、これはUbuntuのユーザインタフェース機能、Unityの中に実装されている。Ubuntuソフトウェアセンターで「Unity Mail」で検索すると、候補の中にUnity Mailがあるので、それをインストールすればよい。

Unity Mailは、複数のGoogleアカウントのメール通知に対応している。メールの到達状況は、Unityのランチャーの中に、このような形で表示される。

Unity Mail

さらに、画面上部のアイコンも、メールが到達すると青色に変化して知らせてくれる。これで、メール通知も(一応)ばっちりということになる。
もちろん、画面右上にポップアップが出る、デスクトップ通知にも対応しているので、メールの到達はむしろX-Notifierよりわかりやすいかも知れない。

ただ残念ながら、Unity Mailは、どのアカウントからのメールが到着したのかまでは知らせてくれないので、どのアカウントに到着したのかがわからない場合には、それぞれのウィンドウを開けてメールをチェックしなければならない。その点が若干不便ではある。

Windowsでも同様の環境を構築する場合には、Gmail Notifierをデスクトップ常駐アプリとして使用し、同じようにMultifoxを使用すればよいだろう。
また、Unity Mailの設定画面をみるとお分かりかと思うが、メールの着信はIMAPでみている。もしご自身のメール環境がIMAPに対応している場合、IMAPサーバーとポート番号が分かれば、設定することによってUnity Mailでの新着通信に対応することは可能である。例えばYahoo!メールも可能である(と思われる。私自身試していないので…)。

私自身、GoogleアカウントはGmail以外にもかなり広範に使い分けしているので、試行錯誤の上こういうやり方にたどり着いている。また新しいやり方ができ次第、随時報告する。